実家からリフォームの依頼がありました。

 

約20年前に計画し建てた家。

子供分の部屋と将来おばあちゃんと同居するための部屋を考えた間取りの家。

その後、子供は三人とも嫁ぎ家を出る。

おばあちゃんも同居はいやいやと言っていたけれど、タイミングを見計らい無事数年同居し看取ることができた家。

 

本当の意味で二人の家となったとき、

こんな居場所にしたい、と実行することを決めたようでした。

大きなリフォームではありませんが、二人にとって居心地の良い場所にしたいという想いが感じられます。

 

そして、打合せの時にふと

あと十数年もしたら我々は施設に入るから、その時にこの家を売却できれば

施設での暮らしも余裕が出来るからありがたいよね、

という話が出ました。

 

あぁ、そんなことまで考えるのか。とそのときはそれぐらいしか受け取れませんでしたが、

後で改めて考えてみると

確かに、どちらか一人暮らしになったとき、そして子供と同居することのない場合

この家での暮らしは負担となるであろう。

車ももはや運転するには怖い年齢になっている。

移動も自由にできないのに街に出るには不便な立地条件。

 

核家族の夫婦が、退職後の先の老後のことを考えたとき、さて家を持っていることは負担なだけかもしれない。

子供にも負担を負わせたくない。

 

そんなときに需要のある家は売却しやすい。

 

需要のある家=立地条件以外に価値(魅力)を持つ家。

(建築は減価償却するので、特に木造は20年程度で固定資産税対象資産としてはゼロ円に近くなります)

 

購入する側からすると、取り壊して新築するより、

直して住みやすくなるのであれば、その方が費用負担や時間の短縮にもなるためメリットです。

構造が見えていて補修しやすい、印象が良い、など購入してこれから住む方々の不安がなく魅力を感じる家であれば、

買い手はつく。

そのときに、この家の大工はこの職人さん、電気屋さんはこの職人さん、設備屋さんはこの職人さん。

などとこの家のメンテナンスをしている人たちがいることが分かれば、なお安心ではないだろうか。

家ごとに担当職人がいることが当たり前になったりして。

などと、連想から空想が止まらなくなりました。

 

担当職人の空想は別として、

これから家を建てる人たちには、

そんなことを視野にいれた家づくりも大切だな、と改めて思うのでした。

 

 

こちらは実家ではなく私たちの結婚披露宴会場となった古民家のアプローチ。

石が敷き詰めてある。

三和土と違い誰しもが歩きやすくメンテナンスが少なくて済み清潔感があり経年変化の味もある、好まれる仕上げ。

 

 

住まい手はもちろん、地域からも愛される家。
そんな建築を常に考えながら。