nonaブログ

暮らし始めて半年の岡崎の家へ

2018年4月30日
土と趣のある家、建築見学、建築設計、暮らし

昨年9月に引き渡しをした、岡崎の家へ行ってきました。

こちらのお施主さんとは、雑談で始まり雑談で終わるという打合せばかりで、

今回も例にもれず、雑談三昧の楽しい時間となりました。

 

 

一冬を越えて、暮らしの感想をたくさんお話ししてくださいました。

左官仕上げの壁の場合、薪ストーブの使用は一年経過後以降が良いと言われています。

というのは、薪ストーブによる空気の乾燥が激しいため、左官壁が収縮してクラックが入ることが考えられるからです。

が、お施主さんは入居3か月後から薪ストーブを使用しました。

え!と壁をチェックしましたが、壁にクラックひとつ入っていません。

なぜか。

常に、ストーブの上でやかんを使ってお湯を沸かしたり、コトコト煮込み料理をしていたりしたそうです。

おかげでこの冬はキッチンのコンロをほんとに少ししか使った記憶がないので、冬場のガス料金が減りました♩ と報告も。

 

こんなところ考えてくれてたんだ~、あの時言ってたのはこのためだったんだ~、って住みながらたくさん発見することがあります。

とも教えてくれました。

ほとんどお任せしてくださっていたお施主さん。

某大手ゼネコンの重役さんが知人ということで、暮らし始めて遊びにいらしたそうですが、結構な細かなところまで見られたそうです。

そんな話を聞いて、え!と内心ビクビクの私。

いろいろ見られたそうですが、

その方は、風の流れを考えている、とか、気を配れる設計をされているね~、考えられた建築だよ、と褒めていただいたそうで(良かった!!!)、

良い設計士さんに作ってもらったね~!と言われたそうです。

お施主さんは、自身が褒められたかのように喜んじゃったよ~、なんて笑っていました。

その方に、「リビングの照明ランプが白熱球で夏熱いからLEDに変えたいと思っている、とふと言ったら、

『この雰囲気が壊れるからこのままにしなきゃダメ』と一蹴された」そうですw

私は、経験値の高いプロのお知り合いにそんな感想を聞かせていただいたことと、それを自分事のように喜んでいただいたお施主さんに

とてもありがたかったです。

 

寝室で起きるときは、朝日を感じて起きれてとても快適。でもまぶしくないんです!とか、

日中は太陽の陽がたくさん入ってくるので冬でも夕方からしか薪ストーブをつけず、

寝る前に消しても、次の日の朝、土間があったかくて(土間にある)ダイニングでのご飯はスリッパはいてないんです。とか、

薪ストーブ開始当時は煙の臭いで近隣から少し意見があったので、薪ストーブの焚き付け講習に行ってみたら全然匂わなくなってほんとに焚き付けの方法で変わるもんなんですよ~と教えてくださったり、

薪を割る時間帯を考えて近所に迷惑のかからないようにしている、とか。

    

キッチンから家中が見渡せるので、ご飯できたよ~の声がすぐ届く、とか。

キッチンの扉を閉めて籠っています、とか。外部から見えない外ゴミ置き場がほんとに助かりました~とか。

夏場は日差しが強いので、タープを外につけようか考えたけれどやっぱりこの家なら葦簀を立てかけるのが良いと思った、とか。

他にもたくさんお話してくださいました。

お任せして良かった!!と嬉しい言葉もいただきました。

 

朝、向かう道中では、なにか不具合があるか心配・・・の気持ちばかりでしたが、

実際に家の中でお話している間、

明るすぎず、空間が広くて落ち着かないということもなく、微風が通り抜けるのが気持ち良く感じられて、

お子さんが大きくなったご家族の、少し大人な住まいをイメージしたものがまさに出来上がっている!と感動しつつ、

お施主さんがこんなに暮らしを楽しんでいて、参考になる暮らし方や嬉しい感想も聞かせていただけて、

本当に感無量で帰宅しました。

 

こんな素敵なご縁に恵まれたことに感謝です。

これからも続く関係。暮らしが作られていく様子をまた伺うのが楽しみです。

 

施主さんが家を作るために伴走するのが設計士であり現場監督・職人です。

家が完成して施主家族が暮らしを作っていくときに、

いかに快適で気分よく、デメリットがあっても我慢することが苦じゃない価値ある暮らしを、

提案・協議・建築していくことを、これからもずっとずっと続けていきたいと思うのでした。