施工事例

大津の家

竣工:2025年6月
工事種別:改修
構造規模:築70年木造軸組工法・2階建て一階部分
一階面積:173㎡
施工:宮内建築
温熱環境設計監修:Cube Zero
Photo:ToLoLo stuidio


滋賀県大津の、ベンガラが柱や化粧木材に塗られている大津間サイズの大きな民家。お施主様は音楽の先生。
多いときは三世代が同居しており、今ではお子様が大きくなり外に世帯を構えられ、お一人で住むように。
お料理がとてもお好きで一日のほとんどをキッチンで過ごされるとのこと。
キッチンとグランドピアノが中心となる暮らしをイメージされて改修計画がスタートしました。
庭師さんに手入れしてもらっている愛着ある北庭との関係や愛情を注ぐ畑との動線・風の抜ける方向など外部環境との関係性と、屋内環境を整えることを重点的に検討を勧めました。

メインのキッチン改修は、シンク形状から完全オーダーとし、背面収納含めブラックチェリー材で製作。
これまでの台所には三世帯のために使われていた調理道具や食器類が沢山あり、それらは別室をパントリーに設定しそちらへ。
日々のお料理のために使用するモノたちも多いのでキッチンの収納量も考えつつ、しかし空間にゆとりをと、お施主さんがデザインされたタイルを元にキッチンカウンター全体に麻柄のタイルを貼り遊び心も加えました。

改修前に各所にあった、建具に組み込まれていた数種類の組子を利用し、壁のアクセントや造作家具の扉などに再利用。
シンプルな空間に組子を散りばめて、家族の思い出と共に過ごしてもらえるよう工夫しました。
大工さんに工夫して作っていただいた、グランドピアノに沿った組子が仕込まれたカウンターテーブルは、キッチンカウンター・ダイニングテーブルとは別の、明かりを落としてゆったりピアノを楽しみながらくつろぐことも。

改修中に発覚した構造の弱い部分の補強に構造壁として格子組を採用。
格子から向こうが見える壁にすることで、広がりのある縁側のようなサンルームのようなスペースをつくりました。

室内計画と並行して、断熱改修工事も検討。
Cube Zeroの岡田さんに協力いただき、断熱ラインや気密シートの設置について改修工事ならではの細かい取合部分のアドバイスも受け、大津の底冷えの厳しさを緩和し快適な暮らしに変化できるよう計画しました。
家全体を完璧に高気密高断熱にしなくても、局所空調設備に多く頼らない快適な暮らしが実現できるのではという想定のもと、床は二重断熱。壁は外断熱とし、隙間がなくなるようぐるりと覆いました。天井も出来る限りの範囲で断熱気密施工を実施。
改修前後の気密改善のデータも取り、現在暮らしの一年間の温度湿度も計測中です。

そして空調管理の立役者はやはり土壁・漆喰と無垢板。
湿度のバランスは数値には表されませんが、常に穏やかに調整してくれています。
その結果、目に入る質感や手触りの良さを今回も実感することとなりました。

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