nonaブログ

多様性を理解する

2019年1月9日
家づくり

平成は多様性という言葉が広まった時代であった。

 

性や人種、働き方や暮らし方など、様々な価値観を知る機会が沢山設けられた。

身体に障害があっても本人がやりたいことがやれるように。

発達障害も、その人の特徴の一つということだけ。

 

暮らしでいうと、

食、ファッションも様々である様子が表に出てきた。

ブランドを大切にする価値もあれば、ノーブランドで生産者が見えるモノを大切にする価値がSNSを中心に爆発的に広がっている。

マルシェと言われる手作り市もその一つ。

資格の有無にかかわらず、自分たちができること、自分たちがしたいことに時間を費やし、それを商品として販売し対価を得る。

 

住まいも漏れずに入っている。

ハウスメーカーや地元ビルダーのブランド力は一定層あるが、

住まい手がセルフビルドで作ることや、日本の従来ある技術で作られた家を求める風潮も進んできている。

 

多様性を理解するということは、このたくさん表れてきたモノやコトの価値観をお互いに認め合うということである。

もちろん好き嫌いはあるが、嫌いだから排除するという考えは間違っているのである。

 

今、環境を大切にする志向が急速に進んでいる。

東京都のごみの量もバブルのころから半分に減っているようだ。

暮らしの中にエコ・リサイクルという単語は当たり前にあるようになった。

 

 

環境を守るために建築において法律を制定する。

建物で過ごすため必要になる電気を無駄に使う必要がないよう、建物を高気密高断熱にしてエアコンの効きをよくしよう。

窓ガラスの性能を高め、窓から入ってくる熱射を少なくして建築の中を少しでも涼しくしてエアコンを使う回数や温度を低くしよう。

 

簡単にいうとこんな内容で省エネルギーを推進する法律がある。

今のところ、大規模・中規模建築にのみ義務づけられていて、小規模の住宅には義務付けられていない。

 

それを良しとしない方々がいて、住宅にも高気密高断熱、外皮計算による省エネを義務化するべきだと声をあげているようだ。

 

前述したように、暮らしにも多様性がある。

特に住まいはその民族の文化に直結して現れる。

気候風土に合う伝統構法の建築は大切にする流れが国からも出てきて、一部助成制度も作られている。

 

高気密高断熱で作り空調を管理する暮らしが快適だと思う方はそのような家を作れば良いし、

土や木で作り風が抜ける家が快適だと思う方はそのような家を作れば良い。

 

自分の価値観や利益にそぐわないものを排除するのではなく、

多様性を理解する。

そんな時代にすでになっているのです。

 

 

 

写真は、夏に長野県に旅をしたときに立ち寄った甘味処。

good old land

ご夫婦と小さいお子さんの三人住まいのようです。

こちらの建築と庭はセルフビルドでご夫婦で作られたそう。

とても仕上がりが綺麗で、建て主の細やかな性格が表れるなと感じました。

 

甘味はかき氷とぜんざいのみ。

甘味が用意されるまでの間、

インテリアの丸太に少しくぼみが作られていて、そのくぼみで自然の胡桃を割る遊びができたりします。

 

甘味はどちらもとびきり美味しくて、

少し辺鄙な場所ですがまた来たくなる味と場所でした。

 

こんな風に自分たちの在り方を実践する暮らしづくりってとても素敵だと思います。

 

 

 

様々な価値観を排除せず認める。

 

この多様性を認めることができれば、それぞれの大切を花開かせることができるでしょうし、

他社より優位に立って利益を得たいという考えもなくなるわけで、

大きく言えば民族戦争や宗教戦争もなくなるでしょう。