こんにちは。
YouTube配信で、伝え損ねてしまったことをこちらでお伝えしていきます。
YouTube配信については前記事の こちら をご覧ください。
さて、本当に伝えたかったこと編です。
家は、メンテナンスをしながら住むものです。
今後メンテナンスをする機会が出てくるでしょう。
メンテナンスした廃材は、薪ストーブやキャンプの焚火に使えるし、土壁は落として練って再度土壁に出来る。
循環出来る材料で作ることができる建築が日本の民家の特徴です。
・建築時に大量のエネルギーを使って材料をつくる必要がない。省エネで建てられる
・解体時にゴミを出さないようにできる
これらは、環境問題がいよいよつまびらかにされ、社会全体でなんとかしないといけない今、
とても重要な建築の在り方だと考えています。
しかしながら、
解体のゴミの行方は、民家であってもまだまだ課題があります。
こちらが製造されたものがいかに循環されているかの評価をするLCAのプロセスなのですが、
使用・メンテナンスのあとは、
結局のところ建築の場合、
解体業者さんがどう解体してどこの中間処理施設にもっていくのか、にかかってしまいます。
とくに、建築材料は、素材と素材がのりでくっついていてはがせない。となるとミンチと呼ばれる廃棄物も多く出ることになりその場合、リサイクルできないものなってしまいます。
解体一つとっても企業によって取り組み方は様々です。
解体時にいきなり重機を入れるのではなく、
先に手作業での内装解体を入れ、細かく分別できるようにする解体屋さんもいます。
また、YouTubeリレートークのMC 宮内大工 は、解体の時に出た土壁を、その場で練って土壁として再生する。それを現場で使う。
そうやって、瓶を瓶としてつかうように、土壁を土壁として使っています。
古材の梁や柱はそのまま使えます。使えないところは端材を利用してマテリアルリサイクルやサーマルリサイクルできる。
土に還る建築はリユースできる建築なんです。
平成28年時点で、あと20年で最終処分場がいっぱいになってしまうと環境省が発表しています。
リユースできる建材を使っているのだから
民家の解体時に建築材料が再利用されるよう、廃棄後に最終処分場にもっていく量を極力減らしたい。
民家の移築も解体リユースを体現した手法です。
また、森から木を切ることについても、国産や地域材であることはもちろん、
土砂災害への影響も大きい木の伐採方法についても考えていきたいと思っています。
民家であればどこに頼んでも環境負荷ゼロか、というとそうではなく、その工務店さんや設計者の想いで随分変わってきます。
しかし、自然と共生出来る可能性は、どの建築よりも高い。
故に、それが出来る企業や工務店だけで終わらせず、
広まってほしい。
循環の中で建築される仕様が当たり前になってほしいと思うのです。
総じて、
日本の民家に住むことはとても快適です。
自然が作った材料で家を作ると、自然に抗わない建築が出来て、とても良い快適さがあります。
環境負荷の面においても、
低いエネルギーで作り、設計や暮らしの工夫で省エネな住まい方が出来、また、低いエネルギーで解体リユースが可能です。
これからも、木の家ネットのリレートークで、民家の良さや伝統構法の良さが沢山お話されると思うのですが、
施主としての私から言えることは、
民家を建築してほしい、ということではなく。
次の世代に渡す社会はどうあってほしいかを
住まい手が考え、納得する暮らしや住まいに出会うには、どうすればいいのか、と考えることが大事だと思うのです。
それは、食材を買うときに生産者のわかる野菜を選択するのと同じように、
作り手を見ることだと思うのです。
衣食住、なんでも同じですが、
次の世代に渡していきたい社会を作るために、この作り手はどんなモノを作ろうとしているのか、を知ること。
消費者の選択によってこの社会が作られていることを
家づくりも同じように考え、行動することが大切です。
建てようとしている建築や、建築材料ははどのように作られて、どこに行くのか。
少しでも知ることで、比較することで、多くの選択肢が広がっていきます。
直接聞く場合には、
営業さんがいらっしゃるところだと、いろいろ聞けると思います。
あまり宣伝をしない工務店や設計事務所は、
よくわからない存在で気軽に聞けないと思いますが、
そういうところにもなんでも聞いてほしいと思います。
営業さんがいない分、しつこい勧誘はないと思います^^
いろいろ足を運んでゆっくり時間をかけて家をつくると、暮らしはより豊かになるなあ、とこの家を建築して感じています。
ということを、YouTube配信でお話したかったのですが、
盛りだくさん過ぎましたね(^-^;
最後まで読んでいただきありがとうございました。