滋賀の家の襖紙について相談があり、建具屋の山元さんの作業場に行ってきました。
滋賀県湖南市の山元建具店さん。
入ってすぐに、可愛らしい木工作品が出迎えてくれました。
なんとすべて山元さんの作業場で山元さんが作られた作品。
滋賀県湖南市は、馬の競馬用の馬の飼育や引退した馬が暮らす場がある地域で有名だそうです。
山元さんも馬が好きなようで、それにちなんで木工で馬を製作。
金太郎飴形式で大量生産できるんです!
カットした馬の角を、地域の小学生たちがやすりで滑らかに仕上げたそうですよ。
山元さんは3代目。地域貢献も積極的にされています。
スムーズに打合せが終わったあと、ブログに書きたいからと無理にお願いして
建具の制作風景を撮らせていただきました(笑)
これは何をしているのかというと
縦と横の框の接合部に小さな段差が出来てしまうため、
その段差をなくしてフラットにする加工《目地払い》をしているところです。
お話しているときは気が付かなかったけれど、指の爪!
とにかく細かい仕事の建具屋さん。指先が大変なことになっています。。
慣れたもんなんでしょうか。今度聞いてみます。痛々しい・・・
鉋(かんな)で薄く削ります。
触らないとわからない程度の少しの段差なので、2.3回鉋をかけて綺麗なフラットに出来るため、
サクサク作業が進みます。
フラットになりました!
簡単そうに見えてなかなか難しい鉋掛け。
建具や家具など細く柔らかい材料は、
繊細な力加減、そして多くの経験と知識と手入れの行き届いた道具が必要です。
なかなか難しい職種であり、また住宅が商品化した時代において製作建具の需要が激減しているため、
お弟子さんの経験値も上がらず技術の習得が難しいとお話されていました。
そこで。
ここからは手作りの建具の良さをもっと知ってもらいたく、
これまでnonaが設計し建具屋さんに作ってもらった製作建具たちをの一部をご紹介いたします。
木製の製作建具は、障子・襖など和室のみならず、
リビングに入る扉や洋室への扉なども、材料や仕上げの風合い・デザインを考え
オリジナルの扉を作ることが出来ます。
地域や敷地内の建物の位置によっては、
玄関の扉や外に面する窓も木製の建具を採用することも可能で、
アルミサッシとは違ったインテリアにも合う柔らかい風合い、経年変化の楽しみなども味わえます。
その建築の顔ともいえるリビングの窓や玄関の扉。
また室内に居るときに目に入る建具たちを製作建具にすると、とても愛着のある空間になると感じています。
マイホームを建てるときは、是非、建具を建具屋さんに作ってもらうという選択も考えてみてくださいね。